アマゾン物販におけるプロモーション割引とは何か?仕訳はどうする?

目次
- 1 アマゾン物販におけるプロモーション割引とは何か?
- 2 プロモーション割引き①:販売者が安くする場合適用
- 3 プロモーション割引②:非プライム会員の2000円以上購入の送料に適用
- 4 プロモーション割引②のケースの仕訳はどうするか?
- 5 アマゾンは税抜き価格で売上を計算し、税をその他で計上してくる
- 6 プロモーション割引の対象になる送料も「その他」で計上される
- 7 以上踏まえた実際の仕訳
- 8 【例外・注意】代引きの金額がその他に含まれ、プロモーション割引きで補正されない
- 9 ※根拠となる法令
- 10 リスクのない仕訳方法(税務署に突っ込まれない仕訳方法)
- 11 ※税理士や税務署に聞いても答えられない場合がある
- 12 ☆まとめ☆
アマゾン物販におけるプロモーション割引とは何か?
アマゾン物販におけるプロモーション割引とは何でしょうか?
ペイメントを確認すると以下のようになっています。
ざっくり2種類あります。
プロモーション割引き①:販売者が安くする場合適用
↑こういうパターンです。
販売者が自分で2個買ってくれたら100円割引しますよーというやつです。
この場合であれば自分で設定していることもあり、何の疑問も持ちません。
問題はこのような割引を設定していないくてもプロモーション割引が発生する点です。
プロモーション割引②:非プライム会員の2000円以上購入の送料に適用
アマゾンでは非プライム会員は送料を負担することになっています。がしかし2000円以上を購入すれば送料無料となるルールになっています。
アマゾンのシステムはすべての購入者に送料込みの値段で買ったことにして、
2000円以上購入者にはプロモーション割引として送料を戻すようになっています。
上の画面の例で言えば送料を400円もらっていますが3496円で2000円以上の買い物なのでプロモーション割引として送料の400円を引いていることをします。
このため販売者が自分から割引を設定していなくてもプロモーション割引なるものが発生することになります。
プロモーション割引②のケースの仕訳はどうするか?
結論から先に申し上げれば
プロモーション割引きは売上の反対仕訳をする
で良いと私は思っています。(売上に関することになるため自己責任でお願いします)
プロモーション割引きについては消費税の免税業者であれば気にする必要はありません。
が課税業者になると売上の金額によって消費税を納める額が変わってきますので、プロモーション割引きをどう仕訳するかは金銭が絡んでくる重要な問題になります。
加えて税務署にとっても突っ込んでくるところと思います。よって税務署に突っ込まれてもしっかり説明できることが必要です。
売上は税務署にとって最重要の調査ポイントになります。
あくまで私はそう解釈して仕訳をしているということをご紹介します。
プロモーション割引きの仕訳の前にアマゾンがどういう計算をしているのかを理解する必要があります。
アマゾンは税抜き価格で売上を計算し、税をその他で計上してくる
下記は送料無料の商品を2950円で販売した場合の明細です。
売上2950円−アマゾン手数料729円=手残り金額2221円とはなりません。
税抜き価格2682円−アマゾン手数料729円+その他268円=2221円となります。
まずこのことを理解しておかねばなりません。
プロモーション割引の対象になる送料も「その他」で計上される
上の例と同じく2950円のもので373円がプロモーション割引された場合の明細が以下になります。
つまり2950円のもので送料が373円かかるものが無料になった場合の例です。
税抜き価格2682円−プロモーション割引373円−アマゾン手数料729円+その他641円(税268円+送料373円)=2221円
つまりアマゾンでは以下で計算されているということをしっかり頭に入れておかねばなりません。
①売上=税抜き販売価格
②消費税分がその他で計上
③送料分もその他に計上
④送料値引き分はプロモーション割引きで計上
以上踏まえた実際の仕訳
上の取引をプロモーション割引を「売上」で反対仕訳で↓のように仕訳をします。
売上が2682円と641円の2つあるけど、どういうこと?と突っ込まれても上で説明をしたように、税務署にアマゾンではそういう計算がされるんですと言えるようにしておかねばなりません。
※簿記2級の「割戻りをしたときの仕訳」を確認ください
【例外・注意】代引きの金額がその他に含まれ、プロモーション割引きで補正されない
対応できないのが代引きです。
購入者が代引きで注文した場合は、代引き代金が送料と同じで「その他」に計上されますが、プロモーション割引で補正されません。
わかりやすくするために税金は考慮せずに具体例で考えます。
【補正される】送料の場合の例(送料300円かかっている場合)
売上2500円−プロモーション割引き300円+その他送料300円=アマゾン処理場の売上2500円となり問題ありません。
上で説明した通りに反対仕訳すれば、本来の売上を反映させることができます。
【補正されない】代引きの例(代引き代金400円、送料300円かかっている場合)
売上2500円−プロモーション割引300円+その他700円(送料300円+代引き代金400円)=アマゾン処理上の売上2900円
代引き代金400円増えるやないかーい( `ー´)ノ
イチイチ集計するのはめんどうなので、私は代引き分は消費税を多く払っても売上計上することにしますが細かく計算すれば、この代引き代金の集計を出して、その合計を売上がマイナスになるように反対仕訳することになります。
また代引きをNGにすれば、そもそも代引き注文が発生しないので問題ないかと思えます。
※根拠となる法令
国税のタックスアンサー
[平成31年4月1日現在法令等]商品販売をした事業者がその取引を行った後に、売上値引きをしたり、売上割戻金や販売奨励金を支払ったり、売り上げた商品について返品を受けたこと等により売掛金の減額等を行う場合には、商品を販売した事業者は、これらの金額に対応する消費税額について調整する必要があります。
つまりは売掛金の減額を行う場合は、消費税額の調整が必要と明示しています。
調整とは以下だと前述の国税庁のタックスアンサーNO6359に書かれています。
「課税標準額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等に係る消費税額を控除」します。
個人的はプロモーション割引きは会計上の「割戻し」にあたると思っています。
割戻りとは商品やサービスの量が多いことを条件に、その代金を安くすることをいいます。リベートやボリュームディスカウントと呼ばれることもあります。
アマゾンでは2000円以上購入すれば送料は無料というのは「商品やサービスの量が多いことを条件に、その代金を安くすること」にあたっていると思っています。
割戻りの会計上の仕訳ルールは「反対仕訳」です。
よって↓のように売上を反対仕訳をするのが良いと判断しています。
リスクのない仕訳方法(税務署に突っ込まれない仕訳方法)
プロモーション割引きの金額を「支払い手数料」などで経費計上することです。
そうすると利益は変わらずで、売上が大きくなります。税務署からすれば消費税が多く取れます。文句はないと思います。
売上を反対仕訳すると利益は変わらずで売上も少なくなります。税務署からすれば消費税を「とりっぱぐれる」わけです。(※会計上、問題ない処理です。脱税行為ではありません。)
よって仕訳をあえて経費計上することにすれば、消費税を多く払うことになるので税務署的に良い仕訳になります。
※税理士や税務署に聞いても答えられない場合がある
そもそもが↓のような処理がされる取引を意味不明に思う税理士さんや税務署の方もいます。
よくわからないと人は「とりあえず経費として処理しておけ」と返答してきます。
その方が、納税者は確実に損をしますが、税理士および税務署は損をしないからです。
深い理解のない方に相談しても「とりあえず経費として処理しておけ」と言われるだけということを理解しておきましょう。
どう処理するかはまさに本人次第になります。
☆まとめ☆
アマゾン物販におけるプロモーション割引についてご説明させていただきました。
免税業者で年間売上1000万を大幅に下回る方であれば、どう仕訳しようが税額に違いはでませんので大した影響はないと思います。
が、免税業者であっても処理の仕方によって売上が1000万を超えるような方や課税業者の方は、しっかり対応する必要があります。
プロモーション割引きは会計上の「割戻し」とするのが妥当だと思います。よって
プロモーション割引きは反対仕訳をする
で良いと思います。こうすることで売上は少なくなり、納める消費税も少なくなります。
もしその仕訳を不安に思う方が入れば
プロモーション割引きを「支払手数料」などを使って経費処理で仕訳する
とすれば税務署的には売上が増え、消費税を多く取れますので問題のない「税務署にお得な仕訳」になります。
売上の関することなので慎重に明確な根拠をもとに判断していかねばならないと思っています。
私は書かせていただいた理由より反対仕訳でやっていっています。
各自自己責任で判断お願いします。