最終仕入原価法の同日仕入の場合の棚卸評価は?

目次
最終仕入原価法の同日仕入の場合の棚卸評価は?
最終仕入原価法は最後に仕入れた商品の単価をすべての在庫の評価額として処理する方法です
新品だけで物販をやっていれば棚卸の在庫評価は在庫数さえ管理しておけばおkですが
中古販売をしていると事情が違ってきます。
個別法で在庫管理するのは時間の無駄!
中古をやっていると在庫管理がクソめんどくさくなります。
1個づつ仕入単価を個別に管理しておく方法は「個別法」と呼ばれます。
何の知識も持ち合わせないで物販をやると基本個別で利益計算をしていると思います。
個別法でコスト管理すると事務作業が激増して実質の利益率が急低下しますので個別法ではなくこの「最終仕入原価法」で管理することをおすすめします。
というか日本の法律だと最初の決算時に棚卸評価方法を提出しないと強制的に「最終仕入原価法」になるようになっています。
最終仕入原価法を適用すれば商品の在庫数を管理し、最後に仕入をした単価さえ特定すれば棚卸在庫評価は終わります。
個別法でやるとクソめんどくさいのが最終仕入原価法を適用させると新品と同様まで事務作業を簡素化でき、おすすめです。
話が脱線しましたので戻ります。
同日仕入の場合の具体例
ある商品を最後の仕入が
「6/1」 1000円
「6/1」 950円
の同日であった場合に棚卸在庫の評価は①~③のどれになるでしょうか?
①950円・1000円のどちらでもよい
②足して平均975円にする
③ ①②でもない方法
A:①どちらでもよい②足して平均するのどちらでも可
税理士さんへ質問すると以下が返ってきました。
ご質問の件について、法律上は最終仕入れとしか規定がありませんので①か②のどちらかで処理していただければ結構です。何卒よろしくお願い致します。
つまり最終日の単価であれば
1000円でも〇
950円でも〇
平均の975円でも〇
との返答を受けました。
根拠として条文は教えていただけなかったため自分で調べてみます。
根拠は「法人税法29条の第1項」と「法人税法施行令31条第1項」
法人税法の解釈本を活用します。
この本に棚卸の評価に関する法令は
・法人税法29条の第1項
・法人税法施行令31条第1項
と書いてありますので見てみます。
法人税法29条の第1項
棚卸資産の売上原価等の計算及びその評価の方法)第二九条 内国法人の棚卸資産につき第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となる当該事業年度終了の時において有する棚卸資産(以下この項において「期末棚卸資産」という。)の価額は、棚卸資産の取得価額の平均額をもつて事業年度終了の時において有する棚卸資産の評価額とする方法その他の政令で定める評価の方法のうちからその内国法人が当該期末棚卸資産について選定した評価の方法により評価した金額(評価の方法を選定しなかつた場合又は選定した評価の方法により評価しなかつた場合には、評価の方法のうち政令で定める方法により評価した金額)とする。
2 前項の選定をすることができる評価の方法の特例、評価の方法の選定の手続、棚卸資産の評価額の計算の基礎となる棚卸資産の取得価額その他棚卸資産の評価に関し必要な事項は、政令で定める。
棚卸の評価はあらかじめ決めた方法でしてねとしか書いてなさそうです。
法人税法施行令31条第1項
第三十一条 法第二十九条第一項(棚卸資産の売上原価等の計算及びその評価の方法)に規定する評価の方法を選定しなかつた場合又は選定した方法により評価しなかつた場合における政令で定める方法は、第二十八条第一項第一号ホ(最終仕入原価法)に掲げる最終仕入原価法により算出した取得価額による原価法とする。
2 税務署長は、内国法人が棚卸資産につき選定した評価の方法(評価の方法を届け出なかつた内国法人がよるべきこととされている前項に規定する評価の方法を含む。)により評価しなかつた場合において、その内国法人が行つた評価の方法が第二十八条第一項に規定する評価の方法のうちいずれかの方法に該当し、かつ、その行つた評価の方法によつてもその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算を適正に行うことができると認めるときは、その行つた評価の方法により計算した各事業年度の所得の金額を基礎として更正又は決定(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二十五条(決定)の規定による決定をいう。)をすることができる。
棚卸評価の届けをしない場合は最終仕入原価法が適用されますよとしか書いてなさそうです。
☆まとめ☆
最終仕入原価法で最後の仕入日に別コストで複数仕入をしたときは最終日に仕入をした値段をどちらでもよいので適用させるかもしくは平均単価でも良いということでよさそうです。
これからも税理士に丸投げして聞くだけでなく、すべて条文を確認しながら知識を深めていきたいと思います。
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