消費税は簡易課税を選択した方が良いかどうか?の判断基準

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消費税は簡易課税を選択した方が良いかどうか?の判断基準
私の会社は1期目で売上1000万を超えたため、来期の3期目から消費税を納める義務が発生します。
1年間、自分で経理処理をし税理士なし税務申告ができるまで会計・税務知識が向上しましたが、ここにきて消費税も勉強しなければならなくなりました。
義務が生じるのは今年の10月からなので、それまでに消費税の勉強をしておく必要があります。
まだ8か月ありますが、ボチボチ勉強を開始しました。
そこで最初に問題になるのは、通常の方式にするか、簡易課税方式にするかの決定を第3期がスタートする前に税務署に通知しなければなりません。
ネットで色々調べてみましたが、相変わらず検索上位にでてくるのは、一般論のコピペが乱立しており、全く参考になりません。
税法では、おかれている状況によって〇にも×にもなるので、不特定多数が読むことを前提とした場合には、当たり障りのないことしか書けないことがこういう意味のない文章の乱立になるんだろうなと実感します。
通常方式と簡易課税方式の違い
消費税を10%とした場合で考えます。
売上1000万、仕入700万での想定をします。
通常方式の場合
通常方式の場合は各取引で消費税を計算していきます。
売上1000万に対して消費税をザックリで100万預かっています。
一方仕入700万でザックリ70万の消費税を払っています。
よって納める消費税は100万-70万=30万となります。
すべての取引のおいて計算をしなければならないため、めんどうらしいです。
そのために下記の簡易課税方式というもの選択できるようになっています。
簡易課税方式の場合
売上に対する消費税に一定の率をかけて仕入のときの消費税とみなせる方式です。
これによって売上に対する消費税だけを計算すれば、納める消費税が計算できることになり、通常方式によって税務申告が楽になるというメリットがあるようです。
一定の率というのは業種によって決まっています。、私の場合は主に小売りになり80%となります。
その場合だと
売上1000万に対しての消費税100万は通常方式と変わりません。
仕入れの際の消費税は売上時の受け取った100万に80%をかけ計算します。つまり80万となります。仕入れの際に消費税を計算しなくてよいメリットがでてきます。
よって納める消費税は100万-80万=20万となります。
この税額だけで考えた場合、私の場合は簡易課税方式を選択した方が10万税金が安くなります。このように計算するため一括りでどっちが有利ということはできず、あくまで計算してみてどっちが有利か考えるというのが一般論の教科書の答えになります。
検索上位の記事はここまで止まっているのが多いため、参考に全くなりません。
がしかし具体的に税額を計算する以外に注意すべきことをありますのでそれを列挙します。
☆免税期間に仕入れた在庫が多い場合は注意
通常方式を選択した場合は、課税になる前に仕入れた商品つまり在庫については、仕入れた際に消費税を払っていたものとして調整することができます。
が簡易課税方式を選択した場合は、免税期間中に仕入れた在庫の消費税は調整することができないとなっています。
具体的には上の例で仕入れた700万のうち300万が免税期間の在庫であった場合は100万-40万=60万となります。
よって免税期間中の仕入の消費税を調整できないことをしらないと、消費税20万ですむぜぇ~と思って簡易課税を選択すると実際は60万を支払わなければならなくなります。
在庫を多く取り扱う場合は、直前の在庫の金額を考慮して選択する必要があります。
☆大きな設備投資等する場合は注意が必要
受け取った消費税-支払った消費税=差額を納めるわけですが、大きな設備投資があった場合などは支払った消費税の方が多くなるときがでてくるらしいです。
つまり受け取った消費税<支払った消費税=差額を還付となります。
が簡易課税方式を選択した場合は、あくまで売上の消費税に一定の比率をかけて仕入れにかかった消費税を計算するために還付になることがない計算方式なため、差額を還付してもらうことができないわけです。
消費税が還付がおきるような取引をする予定がある場合は注意が必要です。
☆1度決めた方式は最低2年継続する必要
1度決めたら方式は2年継続しなければならないルールになっています。
そのため2年間で損得を計算して、申告方式を決定する必要があります。
☆まとめ☆
消費税は簡易課税を選択した方が良いかどうか?の判断基準をご紹介されていただきました。
基本の考えは、実際にざっくり計算してみてどっちが得かを考えることになります。
が以下のことに注意が必要です。
・免税期間中に仕入れた在庫が多い場合
・消費税の還付の可能性がある場合
・2年間で損得を計算する
ご参考になれば幸いです。