法人税申告書のチェックには税務署を利用しよう

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法人税申告書のチェックには税務署を利用しよう
法人決算を自分でやった場合、法人税申告書が本当に正しく記入できたかの確認作業が必要になります。
「自分で完成した」と思えても、理解が不十分で不備である可能性もあるためです。
ポジショントークの面もあると思いますが、税理士さんは「自分で法人税作成する人もいますが、こちらでチェックするとものすごく間違っているんですよね」と言います。
よって念には念をいれて完成したと思ってもチェックをする必要があります。
がしかしそこで税理士さんのところにもっていっては相談に「費用」がかかります。さらに飛んで火にいる夏の虫で、あれやこれや不安を煽って契約させようとしてくるのが容易に想像つきます。
となると別のところを探すことが必要になり、無料で相談にのってくれるのは「税務署」です。
しっかり活用しましょう。活用する際のコツもありますのでご紹介します。
事前に「具体的な要件を詳細に伝えて」アポをとろう
私が前すんでいた県の税務署では飛込みで訪問しても対応してくれました。今住んでいるところはアポがないと相談にのってくれません。
アポなしでも対応してくれる税務署であってもアポをとって相談することがおススメです。
突然にいっても対応する人によっては「知識がなくて」対応できない場合があるためです。
税務は複雑多岐にわたるため全部を網羅するのは不可能です。そのため突然いくと場当たり的な答えになってしまう可能性があるのでよくありません。
↑では社宅税制について税務署に飛込みで聞きにいったら答えてもらえませんでした。
税務署なのに答えられないのかととても残念に思いましたが、今では「税務は複雑多岐にわたるため全部を網羅するのは不可能」なので、飛込みで質問をした「私が悪い」と思うようになりました。
そのため、アポをとる際は質問内容もできるかぎり詳細に具体的に伝えた方が良いです。そうすることで、アポまでに「しっかりと調べて」おいてもらうことを期待するためです。
別表の書き方であればおそらくざっくりでも対応がしていただけると思いますが、それでも具体的に伝えた方が良いです。
私は以下のように具体的に伝えました。
①別表4を書いたが具体的にそれであっているかを確認してほしい
②その際に所得税控除(別表6-1)で預金だけでなく株の配当があるので確認したい
③別表6-1の株の配当計算の個別法と簡便法の計算があっているか確認したい
④別表8-1の受取配当金の非支配目的株式の計算があっているか確認したい
⑤別表5-1と5-2の具体的に記入した数字があっているか確認したい
要は↑であげたことに関しては多少突っ込んで聞くよということをあらかじめアナウンスしておくわけです。
そうすれば対応がしやすくなり、こちらも場当たり的な対応をさせる可能性を防ぐことができます。
数字を確認するのに必要な書類はもっていこう
決算書の数字を確認するうえで今期の決算書は元より、前期の決算書もあった方が良いです。
私はさらに以下をもっていきました。
・前期の申告書のコピー
・今期の別表すべて
・県民税・市民税・事業税の内訳の計算したもの
・勘定科目内訳書
・数字を計算する根拠として参考書
・株式明細
・株の配当明細
要は今期の数字があっているかを検証するときに、確認できる書類がないと話が終わってしまいます。
そうなるとあやふやな想定の話しかできなくなり無駄な時間になってしまいます。
不安に思うところも聞いておこう
私は棚卸しについて聞いてみました。
以前住んでいた県では、棚卸しは勘定科目内訳書に書いただけでなく、書くにいったまで本当に数字をチェックしているかも確認するため、在庫の増減の過程も残しておく方が良いと言われていました。
私はそのため数字の増減データは元より、月次で棚卸しして推移表で在庫の金額推移が確認できるようにしてあります。
これで問題ないですか?不足はありますか?を聞きました。
そして問題ないですね。それよりも評価はどうしているのですか?と聞かれ、最終仕入れ原価法ですと即答しました。基本新品なので最終仕入れもなにもないのですが、一部は中古で最終仕入れ原価法でやっていますと答えました。
ここで評価とは?となっていたら、再度棚卸しのコスト見直しをするとともに、前期分の修正をする必要にせまられたと思います。
幸い、私の場合は棚卸しに関しては問題ありませんでしたが、気になることはこのように聞いていくと良いと思います。
注意:人によってやり方が違う
人によって法人税申告書に対する考え方が異なります。
私は引越し前の県にいたときに法人住民税を1年分で計算し申告をしました。あっていると思っていたので税務署に確定として提出しました。
がその後、実際は11か月分が正解であることに直後にわかり、1時間後に再度税務署に訪れ、決算書を訂正したい旨を伝えました。
すると住民税は「益金不算入だから税額に変更はないからそのままでよい」と言われました。別日にも本当に訂正しなくて良いか確認しても「かまわない」とのことでした。よってそのまま放置しました。
今回、引越し後の税務署で前期の状況を説明したところ、「それは訂正するのが普通です」と言われました。
が金額がちいさいので、いずれ調査できかれることがあれば、その旨話していただければ問題にはならないと思うので対応お願いしますと言われました。
このように人によって対応が違いますので、注意が必要です。
ですが最も大事なところは「税額の計算」だと思います。税額が正しいことはしっかり確認し、それ以外のことは多少誤りがあっても大目にみて自己責任に対応する覚悟が必要になります。
これは税理士を雇っていても同じことが言えるのであまり大したことではありませんが頭に入れておく必要があります。
まとめ
法人決算を自分でやる場合は完成した法人税申告書の精度に自信がもてないと思います。
それをチェックし精度を高めるために税務署を積極的に利用していくのが良いです。
その際は以下が大事だと思います。
・聞きたい点を詳細に伝えてアポをとる
・数字を確認するために必要な書類は全部もっていく
・不安に思うことを聞く
以上、法人税申告書のチェックには税務署を利用しようでした。
◇編集後記
2019.11.11をもって法人第2期の決算書がほぼ完成しました。あとは文字入力をすればいいだけです。数字が確定できたのでほっとしています。自分でやれる自信がかなりつきました。
☆本日の勉強
民法:胎児の権利